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第4回定例会
2019/02/13

12月3日から18日まで、平成30年第4回定例会が開催されました。一般質問の質問項目を以下のとおりご報告いたします。
 なお、本質問は、室蘭市議会「議会中継」にてご覧いただけますので、左の「室蘭市議会」をクリックして是非ご覧下さい。

児玉 智明 議員[質問方式:一問一答]

1 経済政策について
(1) 国家戦略特区について
(2) エネルギー政策について
(3) 観光政策について

2 教育行政について
(1) 色覚多様性について
(2) 市立室蘭図書館白鳥台分室について

3 市立室蘭総合病院について
(1) 災害時における公的病院の役割について

4 人権に配慮した行政運営について
(1) DV被害者と戸籍について


佐藤 潤 議員[質問方式:一括質問]

1 新幹線開業効果等について
(1) 自治体個々の魅力発信状況について
(2) 交通アクセスについて
(3) 西胆振圏移動者の状況について
(4) 新幹線の経済波及効果について
(5) 東北地方との交流について

2 子どもの貧困について
(1) 子どもの貧困という定義と貧困率について
(2) 施策の展開と取り組み状況について
(3) (仮称)子ども育成部設置について
(4) 子ども食堂について

3 児童生徒の安全対策について
(1) 学校の安全対策の基本方針について
(2) 危機管理体制等について
(3) 教職員・保護者の車両及び駐車場について
(4) スマホ・携帯電話使用について

4 宮古・室蘭等フェリーについて
(1) 航路前進に向けた施策について
(2) 宮古市との交流について
(3) 胆振総合振興局の取り組みについて
(4) 東平副市長の任期について


橋 直美 議員[質問方式:一問一答]

1 災害に強いまちづくりについて
(1) 本市の防災対策について
(2) タイムライン(防災行動計画)の導入につ いて

2 旧絵鞆小学校円形校舎について
(1) 旧絵鞆小学校円形校舎の保存活用について

3 ものづくり人材育成について
(1) 室蘭高等技術専門学院について

先進都市調査報告
2019/02/13

平成30年10月23日から26日まで先進都市行政視察を行いましたので、ご報告いたします。

平成30年10月24日(水)
高知県室戸市
「むろと廃校水族館」について
廃校活用と地域振興策について調査すること
1 視察先(市町村)の概要
 人口:13,451 人(H30.9.30現在)行政面積:248,18ku
2 視察内容
平成18年3月31日に廃校になった、旧椎名小学校を改修して水族館として再利用し、活用するに至った経緯と、地域の活性化について視察を実施。
旧椎名小学校は、予てより地元においてウミガメの保護活動や生態等の研究を進めていた、NPO法人 日本ウミガメ協議会から、博物館や水族館として利用したい旨の提案が出されていた。一方で、地元住民からも、集会所や避難所、高齢者の活動拠点として整備するよう要望が寄せられていた。これらのことから、平成27年6月に地域住民、民間団体、県及び市職員を委員とする「旧椎名小学校活用検討委員会」を設置し、検討、協議を重ねた。その結果、「室戸市まち・ひと・しごと創生総合戦略」及び「高知県産業振興計画アクションプラン」において、水族館として活用することが重要な地域振興策として位置付けられたことにより、平成28年9月に施設改修を行う予算が議決された。総事業費は約5億5千万円で、国と県から約2億4千万円、起債は過疎債で約3億円、残りが一般財源である。
運営はNPO法人 日本ウミガメ協議会が指定管理者となっているが、市から委託費は受け取らず、自主的な運営を行っている。25メートルプールは、330メートルの管を敷設し、海水を直接循環させることにより、水の交換作業が必要ない屋外大水槽として活用している。教室などの学校施設や備品も、ほぼそのまま使用し、経費の削減を図っている。教室の中に3基の大型水槽と16基の小型水槽を設置しているが、目玉となるような魚種や希少性のある展示はない。しかし室戸で捕れる魚種を中心に、見せ方を考えた面白い展示となっている。展示魚類は地元漁師さんから販売できないもの、傷ついたものを譲り受けるものが多く、足が取れたズワイガニなどもそのまま展示されている。そのため、いつどの魚類が来るのかわからず、名前や説明文はラミネートフィルムで、入れ替えが簡単に出来るようになっている。またそれ以外は、図鑑を見て自分で見つけるという仕掛けも作っている。
入館者数も4月のオープン以来、10月までに97,785名と堅調に推移し、授業の一環で訪れる小中学校や高校生の来館者が増えている。入場料は一般が大人600円、子ども300円、市民は大人500円、子ども250円。今後の事業展開にも積極的で、前向きである。本来の目的でもあるウミガメの保護活動にも力を入れており、その研究にも余念がない。
当初は旧椎名小学校を水族館とすることに対して、地域住民はもとより、行政も議会も大反対で理解が得られなかった。加えて廃校というネーミングも地域に与えるイメージが悪いとして認められず、悪戦苦闘したようである。しかし、NPO法人の粘り強い説得と運動が実り開設に繋がった事例である。
この事業は国と県の補助金に加え、過疎債を使うなどで実施可能となったが、それはあくまでも結果で、民間の熱い思いが行政を動かした実例として参考になる。本市でも、民間が廃校を含む行政施設の活用策を提案する例が見られることから、最低限の支援で最大限の効果を引き出す、新しい公共のあり方として検討に値すると考える。

平成30年10月24日(水)
高知県高知市
「こうちこどもファンド」について
子どもが主体のまちづくりについて調査すること
1 視察先(市町村)の概要
人口:330,019 人(H30.4.1現在)行政面積:309.00ku
2 視察内容
高知市では、「高知市民と行政のパートナーシップのまちづくり条例」に基づき、市民のまちづくり活動を支援・促進するため3,000万円を四国銀行に出捐し民間資金も活用する公益信託として平成15年に「まちづくりファンド」を創設し市民活動を活動資金面からも支えてきた。当初、年間助成金が300万円で10年間限定でスタートしたことから、10年目を迎える平成24年度を前に成果を検証し、この事業を継続するのか中止するのかを判断するために検討委員会を立ち上げた。
まちづくりファンドについては、資金面での支援にとどまらず、まちづくりの知識・経験豊富な運営委員からの意見などにより、活動の問題点や課題について話し合う情報交換の場となっており、共同のまちづくり推進に有益な事業と評価され継続するとともに、助成実績の1/3を「子ども」を対象とした事業が占めることから、新たに「子ども」に関する助成制度を創設することとし、子どもの主体的なまちづくり活動(体験)を支援する制度として平成24年度に「こどもファンド」を創設した。
こどもファンドの概要
〇助成対象団体
@  18歳以下の子どもが3名以上参加していること。
A 子どもをサポートする大人が2人以上いること。
B 高知市在住または在学で、複数世帯で構成されていること。
○ 助成対象事業〜子供たちのアイディアで、住んでいる地域等をより魅力的で住みよいまちにするための活動、子どもたちの活動によって、誰かが喜んでくれる活動。
○ 助成金額〜1事業あたり20万円(10/10)まで
 事業に必要な材料費・文房具代・チラシ印刷費・講師謝礼金等
○ 審査制度
 書類審査〜事務局である行政の担当部署が、申請内容や助成金額について審査
 公開審査〜公開プレゼンテーション→子ども審査員と大人の審査員によ る質疑応答→審査員による協議し助成団体を決定
○ 審査員の構成と審査基準
 子ども審査員〜9名以内(小中高各3名)で、子どもの視点で申請内容を審査
 大人の審査員〜7名以内で、子ども審査員をサポートし、公益性、発展性、意欲、手段の効率性などを審査
○ 活動発表会〜3月には1グループ5分以内での発表を行う。
○ 財源〜市が2,000万円を基金に積み立てたほか寄附金(平成24年度以降約900万円)による。
○ 助成実績〜平成30年度までの7年間で53件、934万円
○ 事業の効果と課題〜「こども」を中心としたまちづくりの活性化、将来の高知市のまちづくりを担う人材の育成、子どもにやさしい高知市の実現などの
効果が挙げられる一方、葛生継続に向けたサポート、広報の仕方、年々減少している寄付の集め方が課題。
今回調査した「こうちこどもファンド」は、成果でも言われているように、子どもたち自身の純粋な想いを実現するためには、父母やPTA、教員、地域の各種団体の協力が不可欠であり、協力する大人もまちづくりを考えるきっかけとなるなど、地域におけるまちづくりの活性化につながる可能性が大きい。また、事業を実施した子どもたちも自分たちの手で自分たちのまちをよくする実体験を踏まえ、コミュニティ能力やふるさとに対する愛着心を芽生えさせることに繋がる、本市としても取り組むべき素晴らしい取り組みであると感じた。

平成30年10月25日(木)
神奈川県 横須賀市
1.「エンディングプラン・サポート事業」について
2.「コンパクトシティの取り組み」について
1.平成27年度開始のひとり暮らしで資産や収入が少ない高齢者を対象に、葬儀などを準備する「終活」を支援する事業の調査すること。
2.立地適正化計画を策定する中でのコンパクトシティの取り組みを調査すること
1 視察先(市町村)の概要
 人口:397,736人(H30.4.1現在)行政面積:100.82ku
2 視察内容
1.エンディングプラン・サポート事業
事業実施の背景として、横須賀市における一人暮らし高齢者が1万人を超え増加傾向にあること、身元が分かっていながら引き取り手のない遺体も年間50体に上がっていたこと、さらに民生委員や町内会からひとり暮らし高齢者の終活課題について相談に応じてほしいとの意見が寄せられていたことから、ひとり暮らし高齢者の葬儀・納骨・リビングウィルなどを支援する「エンディングプラン・サポート事業」を平成27年7月より開始した。
事業の対象者は、原則としてひとり暮らしで身寄りがなく、収入が月額18万以下、預貯金が100万円以下程度の高齢者。
事業内容は、市が相談窓口となり、葬儀・納骨・死亡届出人・リビングウィル(延命治療意思)についての事前意思表示、かかりつけ医や定期訪問の希望などをまとめ書面に残し保管するとともに、相談者自身が協力葬祭事業社1社と生前契約を結ぶ。契約者には、市が登録カードを2枚発行し、万が一の時には、医療機関等から市や葬儀社に連絡が行き、葬儀社が契約に従って手続きを進めることになっている。生前契約にかかる費用は、生活保護受給者の葬祭扶助基準に合わせた20万6千円以内で予納となっている。
現在までの相談者は378人で、登録件数は35件、プラン実施は6件となっていた。
懸念事項としては、本人が予納した場合の葬儀社の倒産リスクがあるが、火葬する者がいない場合は、墓地埋葬法で自治体が火葬義務を負うことから、事業を実施しない場合は、火葬する者がいない場合の全ての費用を負担することになるが、事業を実施した場合は、葬儀社の倒産リスクだけを負うこととなり、倒産リスクより事業未実施リスクの方がダメージは大きいとのこと。
エンディングプラン・サポート事業において生活困窮者の終活を支援する一方で、近年、ご本人が倒れた場合や亡くなった場合に、せっかく書いておいた終活ノートの保管場所や、お墓の所在地さえ分からなくなる事態が起きていることから、こうした”終活関連情報”を、生前に登録し、万一の時、病院・消防・警察・福祉事務所や、本人が指定した方に開示して、本人の意思の実現を支援する事業「終活情報登録伝達事業(私の終活登録)」が平成30年5月から開始されていた。
対象は希望するすべての市民であり、登録できる項目は、本籍・筆頭者、緊急連絡先、リビングウィルやエンディングノートの保管場所、葬儀・納骨などの生前契約、お墓の所在地等のほか自由に追加できるものであり、市は、名前と連動させた個別番号だけをPCにて管理し、詳細については紙ベースで保存することから、必要経費も職員の負担も極めて少ないとのことであった。
事業開始から半年足らずで、相談件数222件、登録件数は32件となっており、今後ともニーズの高い事業であるとの認識であった。

2.「コンパクトシティの取り組み」について
横須賀市は三浦半島にある面積約100㎢、人口約40万人の中核市で背後の丘陵部が海岸に迫っており、その地形的特徴から古くから軍港都市として栄え、海岸部を中心にコンパクトな街並みが形成されている。また、都心まで50kmという立地条件により公共交通網も発達しており、駅やバス停周辺に住宅地や商店街が形成されており、賑わいがある一方で街の発展の歴史を感じさせる古い町並みも依然として残っており、市内を12地区に分けた特色あるまちづくり方針が定められている。
立地適正化計画により16か所の都市機能誘導区域が設定されている。現在3か所でまちづくり協定による市街地再開発事業の検討が進められており、さらなる生活利便性の向上が図られようとしている。
一方でその地形上の特性から丘陵地に向かって沢状の地形に住宅地が張り付いており、(「谷戸」と呼ばれている)空き家も生じている。
居住誘導施策としては
1、子育て世代の定住促進のため
@「子育てファミリー等応援住宅バンク」に掲載された物件を子育て世代が購入する際に助成。
A市外に住む子供家族の市内転入促進のため親世代と子供家族の2世帯同居するために必要となるリフォーム費用の助成。
2、高齢化が進む谷戸地域の地域コミュニティ再生のため
@谷戸地域を拠点に創作活動を行う芸術家等の誘致。(市営住宅のリニューアル)
A市と関東学院大学が協働して谷戸の空き家を活用した地域交流拠点の創出。(空き家を活用したシェアハウスへの家賃補助を行い学生には地域貢献を行ってもらう)
等を行っている。他に公共交通に資する施策も行っている。
1.「エンディングプラン・サポート事業」について
本市としては、横須賀市以上に高齢化が進んでおり、また、ひとり暮らし世帯や夫婦や親子などの複数居住の世帯であっても、老々介護、認々介護世帯といわれる世帯が増加している時代である。さらに子供や身内がいない、または、いても疎遠になっているなどにより、自分の死後について様々な不安を抱えている方が今後さら増加していくものと思われる。
 そのような中にあって、横須賀市の取り組みは非常に参考となるものであり、身寄りのない高齢者の終活を支援することや、全ての人を対象に終活情報を登録できる事業は、本市が取り組むべき事業だと考える。

2.「コンパクトシティの取り組み」について
横須賀市は中核市として現状では40万人近い人口があるとはいえ、高齢化率は30%を超えており、国立社会保障・人口問題研究所の推計では人口減少に加え、高齢化率がさらに高くなることが予想されている。今後は更なる高齢化時代に備えた居住環境の整備や若者世代の移住促進を課題としていたが、谷戸地域再生のための芸術家等の誘致や関東学院大学と協働した取り組みはアイデアが感じられたが、子育て世代の定住促進のための住宅購入費助成や2世帯同居の際のリフォーム助成はいずれも年数件程度ということであり、都市規模の割には少ない印象を受けた。子育て世代の定住促進策を検討する際の首都圏周辺の他都市との差別化などの課題分析をどのように行ったのかなどについてさらに詳しい説明を聞いておく必要があったのではとの反省は残った。

第3回定例会
2019/02/13

9月10日から10月9日まで、平成30年第3回定例会が開催されました。一般質問の質問項目を以下のとおりご報告いたします。
 なお、本質問は、室蘭市議会「議会中継」にてご覧いただけますので、左の「室蘭市議会」をクリックして是非ご覧下さい。


水江 一弘 議員[質問方式:一括質問]

1 財政運営について

2 市長公約の進行管理について
(1) 公約の進捗状況及び評価について
(2) 施策の進行管理の考え方について

3 立地適正化計画について
(1) 居住誘導区域内への人口誘導策について
(2) 住宅施策について
(3) 都市機能誘導区域について
(4) 庁内連携について
(5) 地域公共交通網形成計画について

4 公共建築物適正化計画について
(1) 公共施設の計画的な配置計画について
(2) 主な公共施設の今後の考え方について

5 JXTGエネルギー室蘭製造所の製造機能停止問題について


小田中 稔 議員[質問方式:一問一答]

1 室蘭ふるさと応援寄附金とガバメントクラウドファンディングの活用について
(1) 室蘭ふるさと応援寄附金の現状と今後について
(2) ガバメントクラウドファンディングを活用した
市民活動応援の考え方について

2 住宅施策について
(1) 市営住宅の運用について

3 スポーツ施策について
(1) スポーツ施設ストック適正化計画について

4 地域医療のあり方について
(1) 今後の地域医療のあり方について
(2) 市立室蘭総合病院の経営について


橋 直美 議員[質問方式:一括質問]

1 教育課題について
(1) スクールバスについて
(2) 通学時の児童・生徒への負担軽減について
(3) 部活動指導員について

2 観光振興について
(1) 稼ぐ観光について
(2) 祝津エリアについて
(3) 旧室蘭駅舎エリアについて

先進都市調査報告
2018/08/01

平成30年7月2日から5日まで先進都市行政視察を行いましたので、ご報告いたします。

1 東松島市 7月2日
調査項目:東松島市スマート防災エコタウン
地産地消型エネルギー自立都市の取り組み

東松島市は2011年3月11日、東日本大震災の津波被害を受けた。この経験から復興に向けたまちづくり計画のリーディングプロジェクトの一つとして国に選定された環境未来都市の実現に向けて「分散型地域エネルギー自立都市プロジェクト」を立ち上げ進めている。
この事業は2012年に設立された一般社団法人東松島みらいとし機構(愛称:HOPE)により進められており、再生可能エネルギーの地産地消の実現により環境貢献、地域防災、地域経済の活性化を目指している。
モデル地区の東松島スマート防災エコタウンは市が構築した自営線PPSによりエリア内の住宅用地約1,6haに計画人口247人、計画戸数85戸の災害公営住宅やエリア外の病院や公共施設にも電力を供給している。CEMSシステムにより平時は太陽光発電や大型蓄電池の組み合わせによりエリア内で自己消費し、夜間等は電力会社及び市場から不足分を調達している。また、非常用発電機を備え72時間以内の停電事故に対応できる体制をとっている。CEMSは(一社)ローカルグッド創生支援機構が提供する研修プログラムからノウハウを取得した民間事業者がハード整備を行い東松島市と財産譲渡契約を結んでいる。このことにより民間事業者(大手)に任せきりにするのではなく自前でノウハウを取得して地域経済にプラスにしていこうとする意図がある。現在10MWの電力供給を行っており、そのうち4MW強が公共施設ということであった。担当者の方の話では事業の損益分岐点は5MW(公共:4MW、民間1MW)ということであった。
東松島市の取り組みは地域電力会社が安い電力を供給するというよりも地域新電力が生み出した利益を地域に還元することにより趣旨に賛同する市民の協力を得ながら復興のまちづくりのための地域の活性化への貢献に重きを置いている。同事業は平成26年度から28年度までの3か年事業で行われたものであり、現在は一街区にとどまっているが、今後の取り組みを注目していきたい。

2 盛岡市 7月3日
調査項目:「第二次盛岡ブランド推進計画」について

 「盛岡ブランド」の開発は、人口減少、少子高齢化、地域間競争の激化などを背景に、盛岡市が「訪れてみたい」、「暮らしてみたい」、「住み続けたい」など、市内外の人々から「選ばれるまち」 となることを目指し、平成18年、盛岡ブランド推進計画を策定し、盛岡の価値や魅力を「盛岡ブランド」として、市内外へ発信するとともに、市は、盛岡ブランド推進の視点での事業を展開している。
 盛岡市は、所謂、都市ブランドとは、まちの名前が、市民や市外の人、企業などに「行きたい」「住みたい」「そこでビジネスがしたい」といった期待や憧れを抱かせる、まちの名前そのものが持つプラスイメージを指し、個別ブランドとは、特定の産品や観光名所など、地域の代表的な資源(特産品)を指すものであり、都市ブランドと個別ブランドの其々のPRの結果として、まちが認知されるものと捉え、更なるまちの認知度向上のためには、個別ブランドを含めた新たな都市ブランドの構築が必要と考えられ、「盛岡ブランド」の取り組みがスタートした。
4つの物語
 「盛岡ブランド」は、4つの物語として構成され、暮らしの中から生まれた有形無形の価値や魅力の発信を行うとともに、市が実施する事業に於いては、各事業が連携し、盛岡ブランド推進の視点での事業展開が図られている。
1 自然と暮らしの物語(豊かな自然や歴史的建造物が残る街並みなど)
市事業:景観整備、環境保全、スポーツイベントの開催、グリーンツーリズムの推進など。
2 暮らしと伝統の物語(伝統工芸品や特産品など)
市事業:伝統工芸品の振興、特産品のブランディング、物産販路開拓など。
3 先人と文化の物語(歴史や文化活動など)
市事業:先人関連施設の運営、史跡の保存活用、アートのまち・演劇のまち・映画のまちの振興など。
4 人と人を紡ぐ物語(他者との絆を大切にするまちなど)
市事業:観光セミナー等の開催、市や産直施設の充実など。
 盛岡ブランド推進計画の戦略として、市民、事業者に盛岡ブランドに対する意識共有を図るため、イベントをつうじた市民への周知や小中学校との連携による児童生徒への普及啓発の取り組みや、また、盛岡ブランド特産品認証制度の充実と事業者への普及啓発の強化等を行っている。
 情報発信の強化としては、首都圏等への盛岡ブランドの発信などシティプロモーションの強化やSNS等の新たな広報・情報発信媒体の活用、また、盛岡出身者などをつうじた情報発信などの取り組みがある。この他、市事業へのロゴマークの掲出や庁内横断的な情報共有による意識啓発と連携による情報発信の強化にも取り組んでいる。
 課題としては、伝統と暮らしがブランドであるという価値の共有や特産品などの基準を含めたブランディングの難しさ、市が実施する事業間の連携強化などが挙げられていた。また、今後は、地域おこし協力隊など外からの若い感覚を取り入れ、ターゲットを絞ったアプローチと戦略も必要とのことであった。
  最後に、盛岡市民がまちの歴史や文化伝統を知り、愛着を持ってもらうことで住み続けたいまちとなり、進学や就職でまちを離れた人にも、帰りたくなる故郷であり続けること、魅力あるまちであり続けることが大切であり、このことが、市外からの移住や観光客などまちを訪れる人の増加に繋がるとの担当者の説明を受け、本市に於いても魅力あるまちであり続けるため、各課の取り組みを活かしながら、事業間連携、庁内連携が鍵であると再確認できた視察であった。

3 宮古市 7月4日
 調査項目:スマートコミュニティマスタープラン
ブルーチャレンジプロジェクトについて

 宮古市では、東日本震災に伴って、市民生活不可欠な電力・通信などのライフラインが10日以上の長期にわたり断たれ、初期の災害応急対応や被災者支援活動に大きな障害となったことを踏まえ、既存電力に頼らない「自立型」の電力供給体制の構築、災害時に必要なエネルギーを供給できる体制づくり、事前資源を活用した再生可能エネルギーの創出の必要性を強く認識したことから、東日本大震災復興計画の中に、復興重点プロジェクトとして、太陽光や風力、波力、水力などの自然エネルギー資源を活用した再生可能エネルギーの導入を促進する「森・川・海の再生可能エネルギープロジェクト」を掲げ、連動した宮古市版スマートコミュニティマスタープランを策定した。
 このプランは、再生可能エネルギーの地産地消、産業・経済復興をエネルギー面からの後押し、クリーンなエネルギーを利用した新たなビジネスの創出、災害に強くクリーンなエネルギーの供給の4点をコンセプトに、市民への付加価値の提供を目的としている。
 事業を実施するための体制として、官民一体の協議・検討の場として「宮古市スマートコミュニティ推進協議会」がH25.7に設立され、地域自然エネルギー研究、インフラ設備維持管理研究、新規ビジネス研究の3部会により、マスタープランの協議・検討、新たな事業の企画・立案、普及促進・情報発信などが行われており、事業実施主体としては、宮古発電合同会社で発電された電力を、地域全体のエネルギーの効率的・効果的な利用を図るため、地域エネルギーマネジメントシステム(CEMS)を導入するとともに宮古新電力鰍ゥら、契約した需要家に省エネルギー機器を導入し、エネルギーの効率的な利用を図るビルエネルギーマネジメントシステムにより電極を供給、その他、宮古エコカーシェアリング鰍ネど事業別にSPC(特別目的会社)が設立され、事業構築・運営がなされていた。
 市民への普及促進では、HPの開設や、市民向けシンポジウムの開催、小学生向け小水力実験などの学習教室の開催、カーシェア車両(PHV)を活用した外部出力デモなどが行われていた。
 なお、ブルーチャレンジプロジェクト事業については、現在、電力系の接続に制約が発生しているため、発電事業は一旦見合わせ、プラントを小型紙、水素のみを発生する事業モデルへの変更を検討中とのことであった。
本市においても「室蘭グリーンエネルギータウン構想」を策定し、未利用エネルギーなどを利活用した「エネルギーの地産地消」と、新たな技術やシステムなどの地域社会への実装に向けた開発・実証・事業化に向けて取り組んでいるが、宮古市の取り組みは大変参考となった。

第2回定例会が終了しました
2018/08/01

6月11日から6月26日まで、平成30年第2回定例会が開催されました。一般質問の質問項目を以下のとおりご報告いたします。
 なお、本質問は、室蘭市議会「議会中継」にてご覧いただけますので、左の「室蘭市議会」をクリックして是非ご覧下さい。

児玉 智明 議員 [質問方式:一問一答]

1 犯罪や非行の防止について
(1) 社会を明るくする運動について
(2) 再犯防止の推進について
2 再生可能エネルギーについて
(1) 太陽光発電について
(2) 風力発電について
3 文化財の保存と活用について
4 市民と行政の関わりについて
(1) 補助犬について
(2) ペットの適正飼育について
(3) 室蘭市まちづくり活動支援補助金について

佐藤 潤 議員 [質問方式:一括質問]

1 宮古・室蘭間フェリー就航について
(1) 施設整備について
(2) 営業体制確立について
(3) 経済効果等について
2 廃棄物行政について
(1) 新ゴミ処理施設について
(2) ゴミ減量について
3 水道事業の課題について
(1) 水源地の環境等について
(2) 施設の課題について
(3) 水道事業の収支、企業債等について
(4) 水道事業の行政改革について
4 全国学力テスト等について
(1) 全国学力テスト等について

先進都市行政視察について
2018/05/01

平成30年4月16日から19日まで先進都市行政視察を行いましたので、ご報告いたします。

1 鳥取県鳥取市 平成30年4月17日(火)
「スマートエネルギータウン構想」について
室蘭市では平成26年に「室蘭グリーンエネルギータウン構想」を策定し、再生可能・未利用エネルギーや水素エネルギーなどクリーンエネルギーの地産地消の実現を目指してきたが今年3月に策定した「グリーン水素ネットワークモデルプロジェクト実行計画」の中で電力やガス、熱・水素など地域が持つ多様なエネルギーの地産地消の取り組みを検討することとなっており、先進地である鳥取市を調査することとなった。

鳥取市は平成30年度に中核市に移行したが、平成23〜24年度にかけて誘致企業の事業所閉鎖や規模縮小などにより地域の基幹産業の基盤が崩壊したことに危機感をもち、雇用の確保・創出を最重要課題として位置づけ、成長産業である環境・エネルギー分野を中心に産業振興と雇用の創造に取り組むこととなった。
鳥取市は中国地方の市町村中で風力発電が第3位、太陽光発電が第9位という特性を生かし、スマート・グリッド・タウン構想を推進している。取り組みの効果として@低炭素社会の実現A防災的な課題解決を見据えたまちづくりB資金・資源の地域内循環C地域エネルギー産業に牽引された地域経済の成長D雇用の創出・個人所得の向上EUSJターンの促進と転出の抑制、を挙げている。
官民連携による地域新電力会社「鰍ニっとり市民電力」は資本金2000万円(鳥取ガス90%、鳥取市10%)で平成28年4月1日から事業開始している。開始当初は市有施設75施設(高圧電力)に年間622万kwhを供給しており、鳥取市の電気代は平成28年度で280万円、29年度は28施設が追加され490万円の削減実績がある。さらに30年度は10施設が追加され、約750万kwhとなっており、更なる供給拡大に向けて連携中とのことである。また、民間施設・工場へも顧客開拓をしており、平成28年12月1日からは一般家庭向けに電力販売も開始している。このため、高圧電力のみならず、低圧電力の販売実績も平成29年3月末現在で契約数2400件になり、第2期決算では約1800万円の経常利益を確保している。一方で地元電源からの調達割合は平成28年が約40%、29年が22%と落ち込んでいる。不足分は中国電力からの供給に依存しているが(約4割)、要因としては鳥取ガスが顧客を中心に営業活動を行い、契約が伸びているため顧客の増加に供給が追い付かないためであり、今後、更なる電源開発による「地産地消」率の向上が課題であるとのことであった。尚、今後県が進めるダムの稼働により24GWの供給が予定されており、そうなれば100%地産地消が可能になるとのことであった。
また、事業が安定して運営されるためには私有施設への供給は必要条件であり、また、本事業者による供給エリアは県全域であるが、一定の地域に限定した展開も可能であるとのことであり、世界的にはドイツのシュタットベルケであり、国内では宮城県東松島市における取組が紹介された。
電力の需給バランスの管理は鳥取ガスがガス関連の大手事業者を通じてリスク管理を行っているが、将来的にはノウハウを取得して自立していきたいとのことであった。
室蘭市にはガス事業を展開している民間事業者があり、地域電力会社の立ち上げには十分な可能性を感じた。


2 鳥取県倉吉市 平成30年4月17日
倉吉市中心市街地活性化基本計画「円形校舎活用事業」について
旧絵鞆小学校円形校舎活用に向けての先進事例調査

本市では、旧絵鞆小学校円形校舎の2棟保存について議会論議が行われているところであり、円形校舎活用事例について鳥取県倉吉市旧明倫小学校の活用までの経緯と現在の状況について行政調査を実施した。

倉吉市旧明倫小学校円形校舎は、本市旧絵鞆小学校円形校舎と同じく建築家坂本鹿名夫氏の設計によるもので、昭和30年に建設され、国内に現存する中で最も古い円形校舎として知られる。
明倫小学校が移転することとなった昭和52年まで校舎として使用され、その後、地域活動拠点や放課後児童クラブ施設として活用がされた。
倉吉市としては、当時の状態に近いまま残る歴史的に貴重な建築物として認識されていたが、施設の老朽化や将来、行政として使用の見込みが無いことなどから解体の方針を定め、平成26年5月議会に於いて解体に関する予算が提案された。
市民からは、校舎の保存活用を希望する陳情や地域開発のため解体を希望する陳情など、様々な意見が寄せられた。
一時は解体も検討された施設だが、同年度予定していた「倉吉市中心市街地活性化基本計画」を策定する中で、地元からの保存活用等の意見を考慮し、再度検討した上で、活用及び解体の方針を出すよう予算凍結の附帯決議がなされた。
予算凍結から一年後の平成27年6月、円形校舎の活用を含めた「倉吉市中心市街地活性化基本計画」が内閣府事業の認定を受ける。

※「中心市街地活性化基本計画」
少子高齢化、消費生活等の状況変化に対応して、中心市街地における都市機能の増進及び経済活力の向上を総合的かつ一体的に推進するため、中心市街地活性化の推進に関する法律に基づき、市町村が策定し内閣府が認定する制度。

倉吉市の中心市街地活性化施策は、平成26年12月、海外でも事業展開を行うフィギュアメーカー(株)グッドスマイルカンパニーの製造工場を国内で初めて誘致したことが大きな転機となる。
企業コンテンツを活用した事業メニューの共同開発や観光施策として「レトロ&クールツーリズム」を柱とした、ポップカルチャーの活用による世界に直結するまちづくりを推進することとなった。
新たな観光資源の創出としては、倉吉市の観光資源、白壁土蔵群・赤瓦が舞台モチーフとされるデジタル配信コンテンツ(「ひなビタ♪」)と連携した、全国で初めての架空都市との姉妹都市提携により、20代男性など、これまでにない観光客層の獲得に繋がっている。
また、鳥取県による地域資源「まんが」(名探偵コナン、ゲゲゲの鬼太郎の作者は鳥取県出身)をつうじ、観光や産業などの商業の振興や、担い手となる人材育成を目指す取り組み「まんが王国とっとり」など県の施策展開もあり、フィギュアメーカー(株)海洋堂から、地域で新たに会社を設立し円形校舎を活用したフィギュアミュージアム開設の提案を受け、民間商業施設としての整備計画が策定されることとなる。
平成28年3月、提案を受けた保存を願う市民等が円形校舎の活用を中心とした地元主体の商業まちづくりを行うため、主旨に賛同した地元住民、企業、関係各団体との協力・連携により、30名以上の地元株主を確保し、株式会社円形劇場を設立する。
同年6月には、円形校舎の無償譲渡が議会で可決されることとなる。
翌、平成29年度には、経産省助成事業「地域・まちなか商業活性化支援事業(中心市街地再興戦略事業)」の採択を受け、耐震補強や展示スペースの改修、エレベーター設置などの施設整備費補助を受け(国助成1/2、地元負担1/2)、平成30年4月7日、国内初の円形校舎を活用した、フィギアミュージアム円形劇場がオープンした。
商業施設としてリニューアルされたフィギアミュージアム円形劇場は、(株)グッドスマイルカンパニー、(株)海洋堂、米子ガイナックス(株)の3社との協力体制による先進的な取り組みとして、ポップカルチャーの聖地となることが期待されている。
・ 1階 (株)グッドスマイルカンパニー
人気作品からレアものまでコレクター作品展示や様々なイベント・企画展、フィギュアやグッズ販売など「買う・遊ぶ」スペース
・ 2階 (株)海洋堂
ジャンルごとの多彩な展示スペースや見どころポイント解説など「観る・学ぶ」スペース
・ 3階 米子ガイナックス(株)
塗装体験やジオラマ作り、造形師育成ワークショップなど「作る・育てる」スペース 

※「地域・まちなか商業活性化支援事業(中心市街地再興戦略事業)」
中心市街地の活性化に資する調査、先導的・実証的な商業施設等の整備及び専門人材の招聘に対して重点的支援を行うことにより、まちなかの商機能の活性化・維持を図り、市町村が目指す「コンパクトでにぎわいあふれるまちづくり」を推進する経産省の助成事業。「中心市街地活性化基本計画」の認定が必要。

円形劇場には一部、昔の教室を再現したスペースもあり、開校当時の写真を展示するなど、地域の財産としての保存活用の原点が残されている。また、地域連携による多種多様なイベントを実施し、波及効果を創出する取り組みも計画されており、地域企業としての地域貢献への熱意が感じられる。
この円形劇場を中心としたエリアには行政が認定基本計画掲載事業として取得した財産の他、商業・観光地としての発展の可能性が開けたことからカフェやゲストハウスの開業など、民間による投資・経済活動も活性化をみせており、市としては想定以上の波及効果が現れているとのことであった。
円形校舎の民間発想での保存活用が商業・観光資源を作り出した成功モデルとして大いに期待の持てる事例であった。
本市の旧絵鞆小学校円形校舎は2棟が一対となった、現存する円形校舎の中でも貴重な歴史的建築物として価値は高く、また、縄文遺跡の包蔵地でもあることから、室蘭市文化財審議会に於いて2棟一体での保存がされるべきとの答申があり、市民団体等からも同様の保存要望が市に提出されている。
また、旧絵鞆小学校円形校舎は歴史的建築物としての価値が高いだけではなく、映画やTVドラマの舞台となった場所として知られており、加えて祝津地区は、道の駅「みたら」や市立水族館が隣接する地区にあり、仕掛け次第では観光資源としての活用も可能な施設であり、倉吉市の事例も参考に、十分時間をかけ議論を進めるべきと考える。

3 島根県松江市 平成30年4月18日(水)
「発達・教育相談支援センター エスコ」 について
乳幼児期から青年期にかけての切れ目のない相談体制と支援について調査を実施した。

松江市発達・教育相談支援センター 「エスコ」は、心身の発達に必要な児童等(青年期や保護者を含む)に対し、乳幼児期から青年期にかけての相談、指導、療育等を行うことにより、その心身の発達を支援し、もって自立と社会参加を促すことを目的に、平成23年4月に開設された。そして、運営主体が福祉関係の部署ではなく、教育委員会である点が他の施設とは違う大きな特徴の一つである。
現在の職員体制は22名で、所長を含む教員枠が10名で、内8名が指導主事である。その他、正職員ではないが、臨床心理士が3名、言語聴覚士が1名配置されるなど、手厚い陣容での運営がなされている。最近の状況は、小中学校とも、自閉症の子どもが増加傾向で、特別支援学級や通常の学級で特別な支援が必要な児童生徒の割合が増えている。そのため早期の気付き・支援の必要性が重要視され、発達健康相談や、3、5歳児健康診査の取り組みに力を入れている。
5歳児健康診査では、対象児童の約2割程度に2次検診の必要性が疑われ案内をしているが、その内8割しか受診を受けていない。残り2割の児童に対しては、丁寧な説明に努めながら相談支援に繫げている。エスコが行っている相談支援は、来所や電話によるもの、医師や大学教授、保健師等の専門スタッフによる、専門巡回相談、幼稚園、小中学校の特別支援学級担当者による、特別な支援の場の必要性を踏まえた相談や、就学審議会専門調査などがある。
その結果、年々相談件数が増加し、28年度では4、601件の相談に応じている。就学支援では160ケース中、保護者の希望通りにならなかったケースは数件程度ではあるが、相談の難しさも認識されている。他に、発達障害の子どもを対象に週1回の個別療育や、4〜5人程度のグループ療育を、3歳〜就学前の子どもを対象に実施しているが、参加する際には、診断の有無は問わないとしている。また、公立幼稚園・幼保園8園に13の特別支援幼児教室を設置し、保護者を含めた支援を行うとともに、小中学校やろう学校と連携し、通級指導教室も実施している。さらにサポートファイルの活用と医療との連携も進めている。ただ注意を要するのは、学校や関係機関からの安易な医療受診の勧めは禁忌で、必ず保護者が理解し納得した上での受診でなければならないことである。これらをクリアしたうえで、家庭や学校と医療機関が連携した支援に結びつけている。松江市ではこの課題に対応するため、家庭・教育・医療連携シートを導入し、互いに齟齬がないよう支援に生かしている。
松江市の特別支援教育の根底には、ユニバーサルデザインの理念が色濃く流れ、その時々に見合った合理的配慮に力点が置かれ、相談、支援体制が進められている。
松江市の特別支援教育に関わる姿勢は、福祉的な観点からではなく、あくまでも、その子どもに合った教育的環境を最優先に整備し、その上で生活環境も整えて発達を見守るという、ユニバーサルデザインを基本とした画期的な取り組みであると感じた。また、特に昨今は発達障害の早期発見と早期診断、早期治療という流れが大きく、境界線上の子どもたちにさえ、医療的診断を求める傾向がある中、松江市では各サービスを受ける際に診断を求めていない点や、受診の際も安易な勧めはせず、必ず保護者が理解し納得した上での受診を勧奨するなど、時間はかかっても丁寧に進める姿勢に共感した。

平成30年第1回定例会
2018/05/01

2月26日から3月26日まで、平成30年第1回定例会が開催されました。代表質問及び一般質問の質問項目を以下のとおりご報告いたします。
 なお、本質問は、室蘭市議会「議会中継」にてご覧いただけますので、左の「室蘭市議会」をクリックして是非ご覧下さい。

代表質問
水江 一弘 議員
1 人事管理について
2 財政・行政改革について
3 人口減少への対応について
4 子育て支援について
(1) 第3子以降の保育料無料化について
(2) 子育てのブランド化について
(3) 子どもの貧困対策について
5 都市計画マスタープラン、立地適正化計画について
6 経済・雇用の課題について
(1) 地(知)の拠点大学による地方創生推進事業(COC+)について
(2) 水素社会の構築について
(3) エネルギー供給事業について
(4) 航空機産業について
(5) 観光行政について
7 港湾行政について
(1)港湾計画改訂について
(2)クルーズ船誘致活動について
(3)祝津ふ頭の大型クルーズ船専用岸壁建設について
(4)宮蘭フェリー航路就航について
(5)北極海航路について


一般質問
児玉 智明 議員[質問方式:一括質問]
1 経済政策について
(1) 水素社会実現に向けた取組について
(2) 航空機産業参入の可能性について
(3) クルーズ船誘致について
(4) 公設地方卸売市場について
2 文化財保全について
(1) 縄文遺跡と旧絵鞆小学校について

佐藤  潤 議員[質問方式:一括質問]
1 市長のマチづくり・市政運営等について
(1) 市長のマチづくりの基本姿勢について
(2) 市長の公約達成状況について
(3) 青山市政の議会答弁について
(4) 市長の政策決断と指導力について
(5) 健全な財政基盤の確立について
2 建設工事に関する諸課題について
(1) 建設労働者不足と高齢化について
(2) 労務賃金と上昇率について
(3) 建設業界の人材確保について
(4) 建設工事の発注時期について
(5) ゼロ市債の活用と効果について
(6) 国、道の工事内容の把握と発注について
3 学校教育の諸課題について
(1) 教職員の過重労働解消策について
(2) 教職員の再任用について
(3) 学校用務員の雇用について

会派政務調査を行いました。
2018/03/01

2月5日・6日、会派による行政視察を行いましたので報告いたします。
 なお、今回は初日に経済産業省及び国土交通省の担当者に室蘭市の課題に関係する国の施策等について、2日目には板橋区のシティプロモーションについて伺ってきました。

視察先  経済産業省 資源エネルギー庁・製造産業局
視察目的 政府の水素基本戦略と航空機産業の概要と支援策について
本市の取り組みと国の現状について
視察内容
(1)水素基本戦略〜資源エネルギー庁
国では水素を、環境問題とエネルギーセキュリティを同時に解決する、究極のエネルギーとしての位置付けで、2030年までに大規模なグローバルサプライチェーンを構築する方向性を明確に打ち出している。日本は一次エネルギーの約94%を海外からの化石燃料輸入に依存しており、これを水素に置き換えることでエネルギー源の多様化や、エネルギーセキュリティの向上に結び付けることでき、トータルでCO2フリーにもつながり、産業競争力強化に資するものと積極的に捉えている。
さらに我が国は、燃料電池の分野で特許出願件数が世界一位で、高い技術力や知財・ノウハウの蓄積があり、水素発電やFCVなど、産業分野での水素利用による、大幅な低酸素社会を実現できるポテンシャルも有している。
そのため、まず足下では燃料電池自動車(FCV)やエネファーム等燃料電池を通じた水素利用の拡大、そして水素発電や国際的なサプライチェーンの構築を推進するとして、2050年を視野に入れたビジョンと、2030年までの行動計画を示している。水素のコストついては、ガソリンやLNGと同程度の価格の実現が必要とされており、供給側と利用側の問題点も整理されている。総理も日本が世界をリードして水素社会を実現するとの強い決意で、政府一丸となって取り組むよう関係大臣に指示を出している。
本市では現在、燃料電池自動車(FCV)や移動式水素ステーション、公共施設への家庭用エネファームの導入により水素利用の拡大を進めている。これにより近隣市町や民間へも燃料電池自動車(FCV)が導入されるなど、着実にその成果が表れていると評価できる。ただ、ロードマップで示されているフェーズ1の取り組みで、業務・産業用燃料電池の公共施設への導入や、フェーズ2を見据えた水素製造過程へのアプローチ、港を活かしたサプライチェーンへの取り組みが遅れていると感じている。国でも水素は再エネと並ぶ新たなエネルギーの選択肢として重点的に取り組むとしているので、フロントランナーを自負する本市として、早急に「グリーン水素ネットワークモデルプロジェクト実行計画」を策定し、実施することが重要であると同時に、国の動向に注視し産業に結び付ける施策の検討も積極的に進める必要がある。

(2)航空機産業の概要と支援策〜製造産業局
本市では民間企業が航空機産業への参入を模索し取り組みを進めており、企業の合理化等の問題も抱える中で明るい話題となっている。また、市でも地域未来投資促進法に基づき策定した、室蘭市地域基本計画が経済産業省から採択され、参入企業の支援に乗り出している。民間航空機市場は年率約5%で成長が見込まれる成長市場で、2030年には3兆円を超えるビックビジネスになると推計されている。また、年率約5%で増加する旅客需要を背景に、今後20年間の市場規模は、約3万機・4〜5兆ドル程度になる見通しで、150座席程度の機体の需要が多くなると予想されている。
航空機の機体構造やエンジン分野では着実に日本企業の参加比率が上がっており、B787では35%に上っている。一方で機体の装備品やエアバス社については国際プロジェクトへの参加は限定的となっている。航空機部品事業は、他の業種と比較すれば長期的に安定した事業であると言える一方、初期投資(設備投資等)が大きく、売り上げが計上されるまでのリードタイムが長い側面もある。さらに、高い生産管理能力や認証取得などのハードルもあり、20年以上の長期に渡る供給責任も負うことになるなど、参入にあたり大きなリスクも伴っている。
国においては、航空機関連産業で中小企業向けに活用可能な補助金や税制優遇措置のメニューを複数用意して参入の後押しを図っている。
 航空機産業に参入を希望している企業に対する支援策として、認証取得支援補助金や航空機部品試作支援事業は有効な手段である。今後は、早期にクラスターを形成し、市内企業で複数工程を一括受注・管理する体制を整備し、さらに室蘭の技術力の高さなど、優位性をアピールすることができれば、可能性が広がると考える。


視察先  国土交通省 港湾局・海事局
視察内容 クルーズ客船誘致・フェリー政策・北極海航路について
本市の取り組みと国の現状について
(1)クルーズ船誘致について〜港湾局
 2017年の訪日クルーズ客数は253.3万人、我が国港湾への寄港回数は2,765回となり、いずれも過去最高を記録。また、2017年にクルーズ船が寄港した港湾の数は、全国で131港であるが、そのうち大型クルーズ船(10万総トン数以上)が寄港した港湾は28港であり、室蘭もそのひとつ。
 国は、訪日外国人旅行者数の受け入れ目標として2020年に4,000万人(訪日クルーズ旅客は500万人)、2030年に6,000万人を目指すこととしており、クルーズ船に関しては、北東アジア海域をカリブ海のような世界的クルーズ市場に成長させ、クルーズ船寄港を生かした地方創生を図るとしている。
 現状と課題としては、増大するアジアのクルーズ需要を取り込み、クルーズ船の機構が地域経済に与える効果を拡大すること、クルーズ船が寄港するための港湾施設やクルーズ船の機構に伴い発生する諸課題への対応が不足していること、寄港地が西日本の一部の港に集中する傾向がることなどが挙げられており、対策として、クルーズ船「お断りゼロ」の実現のためクルーズ船の受け入れ環境の緊急整備やクルーズ船寄港地マッチングサービスの提供、国際クルーズ拠点として国が指定した港湾において、民間による受け入れ施設整備を促す協定制度の創設、全国クルーズ活性化会議(本市も会員)と連携し、寄港地全国展開に向けたプロモーションなどの取り組みを進めているとのことであった。

(2)フェリー政策について〜海事局
 国は、訪日外国人旅行者の入国から目的地までの移動に係る受け入れ環境を支援するため、平成28年度より、訪日外国人旅行者受け入れ環境整備緊急対策事業により、無料公衆無線LAN環境の整備、案内標識、可変式情報表示装置、ホームページの多言語化、船内座席の個室寝台化等を支援しており、平成30年度当初予算において、新たに、無線Wi-Fiの導入、船内・旅客ターミナルにおけるトイレの様式化、タブレット導入を追加したとのこと。現在、宮蘭航路で就航予定の川崎近海汽船梶uシルバークイーン」において、Wi-Fiやトイレの様式化の整備を検討しているようであり、国交省としても補助制度についての説明をしているとのことであった。
 また、貨物トラックの運転手不足等に伴い、海上輸送の利用の重要性が高まっており、陸上貨物の取り込みを進めるため、荷主が海上貨物を利用しやすい環境を整備る必要がありことから、フェリー、RORO船等の船社共通で運行ダイヤ・空きスペース等の利用情報をわかりやすく提供する、モーダルシフト船の運行情報等一括情報検索システムの構築を進めており、平成29・30年度の実証実験を経て平成31年度以降システムの本格運用を予定しているとのことであった。

(3)港湾計画の改定について〜総合政策局
 港湾計画については、変更のフローについての説明を受けた。まず、港湾管理者による長期構想(20〜30年)の検討するため長期構想検討委員会を立ち上げ、1〜2年程度で改定の目的、長期ビジョン(フェリー航路や貨物、クルーズ船等)、新たな港湾の使い道を示し、地方港湾案審議会に諮問、答申を受け港湾計画を策定、国土交通省へ提出。
 国土交通省では、港湾の開発、地用及び保全慣れ浴びに開発保全航路に関する基本方針の適合について審査、また、交通政策審議会港湾分科会に諮問、答申を受けたうえで、港湾計画の変更を求めない旨の通知を港湾管理者に行い、港湾計画の概要の公示となる。
 室蘭港については、長期構想健康委員会を早期に立ち上げる段階だと聞いている。ぜひ、長期的なビジョンを示してほしい、とのことであった。

(4)北極海航路への国の施策について
 北極海航路は、欧州と東アジア間において、スエズ運河経由と比較して高校距離を約6割に短縮できことなどから、欧州と東アジアを無鈴新たな選択肢として国内外から関心が高まっている。
 一方、利活用にあたり情報が少ない状態にあるため、利用動向や自技術的課題等に関する情報収集を行うとともに、「北極海航路に係る官民連携協議会」等を活用して民間事業者・関係省庁に情報共有を図っている段階とのこと。課題として、砕氷船造船のための技術、コストや需要などが挙げられていた。
 なお、商船三井がロシア・ヤマルLNGプロジェクト向け新造LNG船3隻の造船契約を締結し、昨年12月に竣工した第1船は、砕氷航行試験を経て、2018年3月末より同プロジェクトへ投入される予定とのこと。

 港湾政策については、本市も6月には宮古〜室蘭港間のフェリー航路就航、また、毎年ポートセールスを行いながらクルーズ船の誘致にも力を入れている。また、現在港湾計画の改定に向けた作業を進めているところであり、この度の国の施策を伺ったことは大変参考になった。
 クルーズ船の誘致については、西日本を中心に中国からのクルーズ旅客数の伸びが著しく、今後のその傾向が続くと思われるため、室蘭への誘致については、洞爺・登別等の西胆振の観光地を含めた北海道観光の玄関としての室蘭港のPRをさらに進めるべきと感じた。また、JAPIC(国土・未来プロジェクト研究会)による提言でされた祝津ふ頭の客船バース化は、室蘭にとって非常に魅力的ではあることから、港湾計画の一部変変更も視野に検討すべきと感じた。
 国としても、訪日外国人旅行者受け入れ環境整備緊急対策事業、モーダルシフト船の運行情報等一括情報検索システムの構築を進めるなど、同じ重さの貨物を運ぶ際に排出するCO2量がトラックの1/6以下と環境にやさしい輸送機関であるなど、海運へのモーダルシフトの更なる推進が必要としていることから、本市としても、宮蘭航路の着実な運航のため、航路のPR、集荷、観光の推進、宮古市との交流などさらに進めていかなければならないと感じた。


視察先  東京都 板橋区
視察内容 シティプロモーションについて
移住定住に向けた自治体の魅力発信事業の研究
 板橋区では、区に対する誇りと愛着の醸成や定住意向の向上を促すとともに、区外の住民の板橋区への移住や交流人口の増加を促す施策として、戦略的にコントロールされた魅力発信事業を展開するため、平成27年3月に「シティプロモーション戦略」を策定した。 
 取り組みに至った経緯は、少子高齢化、人口減少社会への対応にあり、区政の持続的な発展と、生産年齢人口の増加や定住化の促進が不可欠であるとの考えから、区が持つ潜在的な魅力を引き出し、区民と区が一体となって創造・発信する策として、区政の情報公開を一層推し進めるとともに、区の有する地域資源をブランド化し、戦略的に発信することによる、魅力ある地域社会の形成を目指すシティプロモーションの視点に立った広報活動を推進するに至った。
 実施にあたっての庁内連携としては、比較的発信機会の多い主管課からなる「板橋区シティプロモーション及び広報戦略推進委員会」を設置し、戦略策定段階から連携を図り、板橋区が一体となって進められている。
 また、予算担当課から各課の次年度予算案に係る事業計画を入手し、シティプロモーションとの関連が予測できる事業に対し、主管課にアプローチするなど、各課の事業計画を進める上で、シティプロモーションとの連携が図られている。
 板橋区では、シティプロモーション戦略のターゲット層を、30歳〜44歳の女性を対象としているが、その理由は区が実施したアンケート調査の結果から以下4点の課題が確認されたことによる。
@区民意識意向調査で区に対する愛着・誇りへの回答が50代以上と比較し低い傾向にある
A結婚後、定住する可能性が高まる(持ち家率が高まる)年代である
B女性は、区内生活時間が相対的に長く、保育やその他、区のサービスによるメリットを享受しやすい
C女性は、区に対する愛着・誇り・継続居住意向が低い傾向にある
 これら結果から、区では、魅力発掘の段階から区内在住の30〜44歳の年代を対象としたアンケートを実施し、板橋区の政策・施策や史跡、文化・芸術施設、イベントなど様々な項目についてターゲット年齢層の魅力度、認知度が高いものを板橋区の魅力発信の対象として位置づけている。
 宣伝媒体は、広報誌、ケーブルテレビ、You Tube、デジタルサイネージでの映像広報の配信、本庁舎や民間施設での「ギャラリーモール」の展示や戦略ターゲット向け魅力発信パンフレットの発行、その他、SNSでの発信などがある。
また、区内在住の著名人の観光大使の委嘱や、プロスポーツのホームタウン誘致。また、大学と連携し区にゆかりのあるトップアスリートをスポーツ大使として委嘱し、区民がトップアスリートと触れ合うイベントの開催やスポーツ教室を実施するなど、板橋区のPRに繋げている。
 その他、大学との連携による定期的な広報誌の配布など、若者目線での魅力発信に取り組んでいる。
 本市に於いても、人口減少・流出が大きな課題であるが、市民の本市に対する満足度や幸福度などを的確に掴み、不足の部分をどう充足させていくか、市民と一体となったまちづくりが必要と考えることから、板橋区のシティプロモーション戦略は大変参考となる取り組みであった。

第4回定例会が終了しました。
2017/12/21

12月4日から18日まで、平成29年第4回定例会が開催されました。一般質問の質問項目を以下のとおりご報告いたします。
 なお、本質問は、室蘭市議会「議会中継」にてご覧いただけますので、左の「室蘭市議会」をクリックして是非ご覧下さい。

橋 直美議員 [質問方式:一括質問]
1 有害鳥獣等対策について
(1) エゾシカ駆除について
(2) スズメバチ等駆除について
2 発達障がい者支援について
(1) 早期発見の取り組みと継続的な支援について
3 産業振興策について
(1) 公益財団法人室蘭テクノセンターの体制維持について
(2) ものづくりの人材確保について

小田中 稔議員[質問方式:一問一答]
1 スリムな行政運営について
(1) 室蘭市行政改革プラン2016の進捗について
(2) 多様な働き方に向けた検討状況について
2 動物愛護について
(1) 本市の野良猫等に対する取り組みについて
3 住宅施策について
(1) 子育て・若年者世代転入者マイホーム購入助成金制度について
(2) 市営住宅の在り方について
4 港湾行政について
(1) 港湾計画改訂について
(2) 小型船溜まりについて
5 市立室蘭総合病院について
(1) 医師確保について
(2) 来年度に向けた病院経営戦略について
6 市長の決断の在り方について

会派政務調査を実施しました。
2017/11/30

去る、11月13〜16日、会派の政務調査を実施いたしましたので、以下報告いたします。

調査実施年月日 平成29年11月14日火曜日
調査先 自治体名等 香川県東かがわ市
調査項目      「5歳児健診」について
調査目的      本市の5歳児検診実施に向けた調査
報告内容
実施したこと 1 視察先(市町村)の概要
 人口: 31,743 人(H29.4.1現在)   行政面積: 152.83 ku

2 視察内容
「東かがわ市における5歳児検診の取り組みについて」

感想(まとめ) 本市へ生かせること等
  東かがわ市では、平成17年4月1日に、「発達障害支援法」が施行された同年、モデル事業として5歳児健診を実施し、翌、平成18年度より通年事業として実施されている。
 取り組みの背景としては、これまで、母子保健法や学校保健法に基づいて、1歳半健診や3歳児健診、また、就学時健康診断は行っていたが、3歳児健診以降、就学前健診までに発達を診る公的な健診がないことや、脳の前頭葉機能が発達するのは4、5歳頃であり、これまでの健診だけでは、発達障害を判断することは困難であったため、「5歳児健診」を実施することにより、広汎性発達障害や注意欠陥多動性障害(ADHD)などの早期発見に向けた、健診の必要性の声が高まったことにある。
 また、東かがわ市では、5歳児健診は、発達障害を発見することだけが目的ではなく、子育てに関する悩みや相談事など、保護者の育児に対する不安解消、さらには、以降の集団生活を円滑に進めていくためのひとつの手段として、乳幼児期から青少年期までの一貫した子育て支援を考える中で最も効果のある健診のひとつと考え、5歳児健診を子育て支援の一貫として位置づけされている。
 実施に当たっては、先ず、年度初めに合同園長所長会において、実施の協力を依頼。また、医師、療育センター、保健課、子育て支援課、学校教育課が集まり、前年度実施の結果等を踏まえ、実施に向けた協議を行う。
 健診実施前から、各施設や関係者等との連携を確認することで、スムーズな実施が可能となっている。
 また、健診前に幼・保・こども園等において、相談支援員、作業療法士、保健師、幼・保・こども園等の施設長や担任が、事前観察を行うとともに、現状等について情報を交換・共有し、方向性について検討を行い事前情報を医師に伝えている。この様に、健診前から各関係者と連携、情報共有を行うことで、効果的に進めることが可能となっている。
 健診当日は、@保健師による問診A児童発達支援センターのスタッフによる発達検査及び生活観察B小児科・小児神経科専門医による診察C保健師に依る保健指導D栄養士による栄養指導E関係スタッフ及び幼児が所属する幼稚園等の関係者による健診後のカンファレンスによる結果の共有を実施。
 医師、児童発達支援センター、保育士、保健師の立場から、児童・保護者の現状を確認し、方向性について検討が行われる。
 検診後のフォローとして、相談支援専門員、作業療法士、保健師、幼・保・こども園の施設長・担任が、検診3〜4ヶ月後に、幼児が所属する幼稚園などにおいて、事後観察を実施し、その後の状況等を確認するとともに、誰がどのように保護者にアプローチするかなど、効果的なアプローチ方法や今後の支援方法について、具体的な検討が行われ、実際、保護者に健診後の様子を聞き取る際には、不安を与えないよう、聞き方を工夫するなどアプローチの方法については、十分な配慮が重要とのことであった。 
 また、健診後の聞き取りにおいて、気になる様子があれば、こども相談や児童発達支援センターに繋げているが、繋ぐことができない場合にあっても、関係機関と情報共有、相談、連携しながら、定期的に様子の確認を行っている。
 東かがわ市では、保護者の不安解消や理解を得ることが重要と考えており、発達障害を発見することだけが目的ではないことを健診前に説明を行うことや、事前に問診票を渡すなどの工夫を行っている。
  また、問診票を事前に渡し日頃の様子を記入して頂くことで、子どもの行動面や、家庭での生活面について改めて考えるきっかけともなっている。
 5歳児健診事業の開始とともに、東かがわ市では、健診の目的や発達障害への理解と知識の向上を図るため、平成17年度より毎年、発達フォーラムを実施している。この様に積極的な啓発を行うことで、事業開始以前に比べ、市全体での発達障害への理解が進み、健診自体もスムーズに実施されており、現在、5歳児健診受診率はほぼ100%を達成しており、継続することの大切さを強調されていた。
 また、保育士等職員を対象とした研修の実施など、スキルアップにも時間を掛けたことで、発達障害への理解力や観察力が高まっており、職員の対応で子どもが落ち着きを取り戻すなど効果を上げている。
 課題については、就学の段階で就学指導委員会へ繋げてはいるものの、就学後は教育部が担当となり、その後、社会へ出ているかなど、個別の把握が困難であるとのことであった。
 本市では、まだ5歳児健診は実施されておらず、発達障害の早期発見に向け早急に取り組むべきと考える。
 また、本市では子どもの発達段階によって、支援が途切れることのないよう、子育て支援ファイル(「すてっぷ」)を配布しており、一部の利用者に活用されているが、東かがわ市同様の課題があると考える。
 就学前と義務教育期間、また、その後、社会に出た後も必要な支援が引き継がれるよう、子育て支援ファイルの活用を更に進めることと同時に、発達障害についての理解と知識の向上を図る取り組みが肝要と考える。


調査実施年月日 平成29年11月14日(火)
調査先 自治体名等 徳島県徳島市
調査項目 1 健康づくり大作戦ポイント制度
2 徳島市民病院の経営について
調査目的 1 平成27年度に実施された健康づくり事業について
2 徳島市民病院の経営状況と医師確保対策など
報告内容
実施したこと 1 視察先(市町村)の概要
 人口: 255,295 人(H29.4.1現在)   行政面積: 191.39 ku

2 視察内容
(1) 健康づくり大作戦ポイント制度
 市民一人一人の健康づくりへの関心を高め、自主的な取り組みを支援することで、生活習慣病を予防し、健康寿命を延ばすことを目的として行われた事業であるが、国の地域活性化・地域住民生活等緊急支援交付金(地方創生先行型)が不採択となったこと、利用者が少なかったことなどにより平成27年度の単年度事業となったもの。
事業内容は、市民が健康づくりのために実行した取り組みをポイント化して、1,000ポイントを1,000円分の商品券に交換できるもので、20歳以上の徳島市民1,000人を対象としていたものの、実際には、申込者数767人、ポイントを商品券に交換した市民は295人(38.5%)の実績であり、予算額209万円に対して729,050円(一般財源)の決算となっていた。
現在は、健康手帳を特定健診等の健診時に手渡しして健康づくりに役立てているとのことであった。
(2) 徳島市民病院の経営について 
徳島市民病院は、昭和3年に内科のみの市立実費診療所として開設、昭和24年に徳島市民病院と改称、2010年に新築され屋上にヘリポートを有する11階建て。病床数は339床(一般病床295床、回復期リハ病床40床、人間ドック4床)、医師数74名(内初期研修医6名)で全職員数は572名。「脊椎・人工関節センター」、「地域周産期母子医療センター」を設置のほか、がん患者のトータルケアを目指して2015年4月に「がんセンター」を開設し、同時に緩和病床を5床も設置。2016年4月からは、24床の緩和ケア病棟として運用。
緩和ケア病棟開設に要した経費は、備品購入費6,849千円、医療機器購入費1,676千円、病棟修繕費として19,335千円の総額27,860千円。総費用の1/3(9,286千円)は、徳島県医療介護総合確保基金より拠出。
収入は、病床利用率44.4%、1日平均10.7人で、月額16,070円の収益を上げている。平成29年4月から腫瘍精神科医師を採用し、緩和ケアを担当する常勤の医師1名以上の配置という緩和ケア病棟入院料の施設基準をクリア。
現病院事業管理者は、1973年に徳島大学医学部卒、2002年徳島大学医学部長、2011年徳島大学名誉教授を歴任、2014年から現職。がん医療については、米国MDアンダーソンがんセンターへの留学経験のほか、日本臨床腫瘍研究会(現日本臨床腫瘍学会)会長なども歴任しており、医師確保については事業管理者の力によるところが大きいとのことであった。また、徳島大学各診療科との人事交流を活発化するとともに、平成27年8月から臨床教育センターを設置し、膣の高い臨床研修教育を実施するための体制も構築していた。
平成28年度決算における病院事業総収益は、10,192,772千円、総費用10,144,530千円、純利益は48,252千円。平成26年度からは黒字となっており、一般会計からの繰入は、基準による繰入約17億円。患者数は、入院94,381人、外来103,293人の合計197,674人。
・ 本市へ生かせること等
健康づくりに関する事業においては、様々な市においてポイント事業を行っているが、その財源とともに効果をしっかりと検証する必要がある。徳島市の場合は、交付金が採択されなかったことにより単年度事業となったが、周知期間、申込期間、財源などの課題があったことから、本市においても、高齢化が進む中、市民の健康づくりについての取り組みが必要ではあるが、財源を担保したうえでしっかりと制度設計を行い実施することが望ましい事業であると思われる。
市立病院の経営については、まず、医師の確保が最重要課題となっている現在、徳島市民病院においては事業管理者の出身である徳島大学からの派遣が行われていた。担当者からは、外科系の医師は確保できているが、内科系の医師確保が課題であるとの話もあった。また、がんセンターや緩和ケア病棟の開設なども管理者の方針によるものであるとのことであった。
 本市立病院においては、医師確保が進んでおらず、今後も地域医療構想の中で本市立病院の役割や病床数が検討されることとなるが、市民にとって市立病院として何が必要か、医師確保をどうするか、病院事業管理者の役割の大きさを改めて感じた視察であった。


調査実施年月日 平成29年11月15日(水)
調査先 自治体名等 徳島県 三好市
調査項目      サテライトオフィスの誘致について
調査目的      新たな形態での企業誘致について
報告内容
実施したこと 1 視察先(市町村)の概要
  人口:27,407人(H29.4.1現在) 行政面積:721,42ku

2 視察内容
企業誘致支援事業で行われている、サテライトオフィス誘致プロジェクトについて、誘致に至った経緯と現状について、現地視察を含め説明を受けた。
三好市も本市同様、人口減少と少子化の影響で、学校数の減少や経済の縮小が課題点として挙げられていた。そのため、徳島県過疎研究会「徳島からの提言」を受けて、山間部の古民家を活用して、循環型オフィスを誘致できないか等の検討が始まった。その後、市街地の空き家等も含めた誘致活動を行った結果、過疎地域よりもある程度経済規模が大きい市街地の方が、ビジネス環境としては優れているとの考えが示され、地元雇用型のサテライトオフィス誘致の可能性がクローズアップされるに至った。誘致活動で実際に進出を検討する企業が物件を探していたところ、市内中心部にある、廃業した歴史ある旅館のオーナーが、安価での提供を了承し、初めてのオフィスが開設された。時を同じくして、三好市の地域おこし協力隊が古民家を改装し、「スペースきせる」を開設し、さらにNPO法人「マチトソラ」も設立されるなど、地域挙げての受け入れ態勢も整った。その結果、現在では6社が進出し、24人の地元雇用を生んでいる。
三好市が行っている企業への支援策は、企業立地促進条例による、コールセンター、データセンターに対する奨励措置と、ふるさとクリエイティブ企業に対する奨励措置が用意されている。両措置とも、新規雇用で一人につき、年額20万円から40万円以内、総額3,000万円で、5年以内となっている。また、新卒者等就職促進事業補助金もあり、新卒者やUIJターン者と、それらの人を雇用した事業所に対して、一人あたり20万円から30万円の補助金が交付されている。それに加えて、サテライトオフィス誘致セミナーを開催し、三好市でのビジネス環境と実績を、サテライトオフィスとのTV会議等の実態を交えながらアピールしている。さらにセミナーに参加した企業の中で興味を持っていただいた企業の担当者を対象に、市長も交えた現地研修も実施している。

・本市へ生かせること等
この事業は、行政が取っ掛かりを作ってはいるものの、実際には民間の力が大きく働き、良い意味での連携が取れていると感じた。
本市も含め、行政が企業誘致へ向け金銭面も含めた様々なメニューを用意しても、企業側が求めているニーズとは乖離する場合が多いのが実態で、必ずしも企業誘致には繋がっていない現状がある。しかし、三好市の場合、サテライトオフィスを誘致する前提で、市内のブロードバンド環境を整備し、オフィス物件として休廃校した学校や、民間施設も視野に事業を進め、廃業した旅館や学校の活用に繋がっている。しかも、ターゲット先は、都心部で営業を行い、人材確保に苦慮しているベンチャー企業などで、三好市にいながら地元人材の活用で、都心部の仕事が進められることをセールスポイントとして売り込んで成功している。また、地元ケーブルテレビ局が制作した、「仕事はデジタル、暮らしはアナログ」のキャッチフレーズとPRビデオなど、地域挙げての受け入れ態勢は特筆すべきもので、進出企業の経営者の繋がりや、口コミ情報で新たな企業も進出している。北海道の企業が廃校になった小学校の体育館を倉庫として活用し、スポーツ用品の物流基地として営業活動を行っていることも参考になる事例である。
本市においても、モノづくりに関連した企業ばかりではなく、IT関連も含め、広い範囲での企業誘致を進めながら、将来性のある企業の育成や、人材に対する先行投資も真剣に考えるべきである。

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